会社を設立するべきか否か
こんにちは。
愛知県豊川市の行政書士おおいし法務事務所の大石法良です。
会社を設立する?株式会社?個人事業主?どの形が良いか、起業を考えている皆さんにとっても悩ましい問題です。そこで、今回は会社を設立するメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。
1.会社を設立をするメリットは?
- 信頼を得られる
これが会社設立の一番のメリットでしょう。会社を設立する場合は、住所や代表者名、資本金の額、役員などを記述した必要書類を法務局へ提出し、登記しなければなりません。つまり、法人として社会に責任を持つことを意識し、準備をしてきたわけです。その分、信頼が得られるということです。
- 節税しやすくなる
(1)法人税としての節税
個人事業の場合の所得税は累進課税となり、所得が増えれば税額が上がります。法人の場合は、原則一定税率が適用されます。細かくは個々の状況によりますが、年間所得が500円を継続して超えるようであれば、節税の面からも法人の方がよいと思われます。
(2)経費による節税
個人事業主の場合、家事用と事業用の線引きが不明確だと必要経費としては認められませんが、法人の場合は、自宅兼事務所として使用しているときの家賃や自動車の経費など、認められる必要経費の幅が広がります。
(3)家族への給与
家族の事業従事者に対して給与が支払えます。個人事業主の場合は原則的に家族への給与支払いは認められてはいませんが、青色申告の専従者給与や、白色申告の専従者控除を税務署に届け出するときに限り、認められます。
仮に、年間の事業所得が約700万円の個人事業主が、法人化した場合としなかった場合を比べてみると、法人化した場合の方が約60万円の節税効果があると考えられます。
- 融資・資金調達に有利
金融機関から融資を受けようとする場合、法人の場合は、財産管理が厳しくされているので、金融機関も融資判断がしやすくなります。
- 決算月を自由に設定できる
個人事業の場合、事業年度は1月から12月までと決まっています。法人の場合は自由に事業年度の決算時期を設定でき、業務に合わせて忙しい時期と、決算事務をしなければならない時期をずらす事が可能です。
- 相続税がかからない
個人事業の場合は、その経営者が死亡すると財産すべてが相続の対象となります。法人の場合は、相続という概念が該当せず、相続税はかかりません。
2.会社を設立するデメリットは?
- 赤字でも法人住民税がかかる
法人の場合は、利益に課せられる税金と、利益には無関係に課せられる税金があります。赤字となった年度では、個人事業の場合、税金はかかりません。しかし、法人の場合は必ず法人住民税かかってきます。そのほか、消費税もかかります。
- 社会保険への加入が義務となる
法人は、健康保険と厚生年金保険に加入しなければなりません。この保険料は国民健康保険と国民年金と比べて高くなります。保険料は会社と本人が折半となるもので、従業員が多ければ多いだけ、その支払う給料が高ければ高いだけ、法人として支払うべき金額が高くなります。
- 設立・運営、解散に費用がかかる
会社を設立するためには、定款の作成、登記などが必要です。そのための諸経費として、最低でも20万円程は必要となってきます。また、会計処理は個人事業よりも厳密に行う必要があり、かなりの手間もかかってきます。さらに、解散時にも廃止のための費用が必要となります。
3.まとめ
このように会社を設立するという事には、メリット、デメリットの両面があります。どちらが良いかは一概に言えません。独立・起業の際に取れる選択肢は一つだけではありません。どの事業形態で始めるのが最もあなたに適しているのかをしっかりと判断するようにしましょう。
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